すずき整形外科創設より関節鏡視下手術をはじめ、
関節に関する様々な手術を経験しています。
右記は今までの手術の件数とその内訳になります。
当院手術件数一覧
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平成4年~令和3年 |
令和4年 |
全手術総数 |
8,802例 |
110例 |
手術内容内訳 |
関節鏡視下手術 |
4,664例 |
51例 |
靭帯再建術 |
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前十字靭帯再建術 |
1,863例 |
17例 |
後十字靭帯再建術 |
2例 |
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内側側副靭帯再建術 |
57例 |
1例 |
外側側副靭帯再建術 |
1例 |
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膝蓋骨脱臼整復術 |
148例 |
8例 |
手根管開放術 |
175例 |
4例 |
ばね指手術 |
480例 |
12例 |
陥入爪手術 |
32例 |
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骨折観血的整復術 |
143例 |
12例 |
神経移行術 |
36例 |
1例 |
関節内異物除去術 |
897例 |
1例 |
アキレス腱縫合術 |
104例 |
1例 |
高位脛骨骨切り術 |
3例 |
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その他 |
197例 |
2例 |
当院の臨床例
<77歳女性 変形性膝関節症>

右膝痛を主訴に来院されました。運動療法を中心としたリハビリにより、症状消失。レントゲン写真でも関節裂隙が出現し、痛みは改善しました。杖なしで日常生活を送っています。
*ヒアルロン酸注射も行わず、運動療法のみでレントゲンにも改善がみられた症例です。
<86歳女性 大腿骨顆部骨壊死>

初診時のレントゲン写真(①)では大腿骨内側に骨欠損を認め
無腐性骨壊死と診断されています。膝痛がひどく歩行困難でしたが、運動療法を中心としたリハビリの継続により4ヶ月後には骨欠損像が改善し(②)、さらにその半年後には骨欠損部がほぼ消失しています(③)。インソールを早期から併用することで痛みも改善し日常生活は問題なく送れています。
<11歳男児 分裂膝蓋骨>

スポーツ活動中に両膝痛出現し来院されました。初診時のレントゲン(①)では両側とも膝蓋骨に亀裂が認められ通常
有痛性分裂膝蓋骨と呼ばれているものです。一定期間のギプス固定とその後のリハビリにより亀裂部が消失し(②)、症状も消失し元気にスポーツ活動しています。
*これまで分裂膝蓋骨は生まれつきのものであると言われていましたが、当院では繰り返しの外力による疲労骨折と考え治療をしています。骨癒合はしないと考えられてきた疾患ですが、ギプス療法・リハビリによって症状もなくなり骨癒合も得ることができ完全治癒が認められます。治療のタイミングが大変重要であり、当院ではすでに100例以上のギプス療法経験があります。
論文:
田戸麗、鈴木愉.「有痛性分裂膝蓋骨に対するギプス固定法」 整形外科75巻7号:701-707、2024
学会発表:
田戸麗「有痛性分裂膝蓋骨に対するギプス固定の治療経験」 第33回日本小児整形外科学会 2022
田戸麗「有痛性分裂膝蓋骨に対するギプス固定法」 第96回日本整形外科学会 2023
このように当院ではできるだけ保存療法を中心に治療を行っており、それでも症状が改善しない場合には関節鏡視下手術等の最小侵襲での治療を行う方針をとっています。